人格(personality)というのは、一貫性ある認知・感情・行動のあり方であるが、それが偏り固定化されたことによっておこる”非適応状態”を人格障害(personality disorder)と読んでいます。
人格障害に関しては、メカニズムや治療方法など研究者や臨床家など意見が一致していないのが現状ですので断定的な事は言う事が出来ません。
人格的な偏りのために適応的な行動や判断が出来ず、また感情をコントロール出来ずに、自分含めて周囲も悩む事態が生じることが多くなります。
人格障害へのアプローチ
治療に関しては、この”非適応”の部分にアプローチするようにして、人格を変化させることを目的とはしない方が良いと思われます。
偏りある性格でありながら、どうしたら”適応”していけるか・・・心理的なアプローチで苦しみを改善していく必要があるものです。
しかし、心理的アプローチだけでなく、生物的障害も存在していることもあるので、薬物療法も念頭におく必要があるのも事実です。
適応できない状態に苦しんでいるのは、何よりもご本人です。適応出来ていないゆえにこれまでの人生において孤立することも多く生じてきたかもしれません。治療的な関わりをする方たちはそのことを思いに留めて、人格の否定ではなく何が適応を妨げているのかを見つけていきながら、あきらめずに関わっていきたいものです。
人格障害のタイプ
以下は人格障害のタイプ
・猜疑性パーソナリティ障害
・シゾイドパーソナリティ障害
・統合失調症型パーソナリティ障害
・反社会性パーソナリティ障害
・境界性パーソナリティ障害
・演技性パーソナリティ障害
・自己愛性パーソナリティ障害
・回避性パーソナリティ障害
・依存性パーソナリティ障害
・強迫性パーソナリティ障害
人格障害(パーソナリティ障害)へのメールカウンセリング
メールカウンセリングによって、何が生活上において”非適応”となっているか見極めていきながら具体的な目標を捉えるようにしていきます。
どういう型によるかでアプローチの仕方も異なりますが、安心した取り組みが出来るよう、しっかりと状況をお聴きして必要であれば行動療法・認知療法的なアプローチを行えます。
メールカウンセリングを活用する事で、相談する事が出来る場所があることを心に伝えて頂きたいと思います。
【参考文献】
(1)DSM-5精神疾患の分類と診断の手引 2020年(高橋三郎、大野裕監訳)医学書院
(2)MSDマニュアルプロフェッショナル版(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル)